
クメール語を勉強しているんだけど、母音の音がよくわからない…。
前の子音の文字で判断するとか言われたけど、いったい何のこと言ってるの?

クメール文字を勉強してて、ここはつまづきやすいポイントだね。今回は、クメール文字の子音(足文字も含む)と母音の関係を解説していくよ。
※この記事は、ある程度母音と子音の音を覚えてから見ることをおすすめするよ。
母音の音はどう決まるのか?
まず、クメール語の母音の音はその前の子音の文字がA子音かО子音かで決まってくるよ。

A子音とかО子音とかってよく聞くけど何なのさ?
この図で、赤く囲っている文字がA子音で、何にも囲われていない文字がО子音だよ。
このAかОの違いで母音の音は決定されるんだ。
じゃあ、これからパターンごとに解説していくね。
ケース1:子音+母音
一番シンプルな組み合わせだよ。
・តា【ター】おじいさん
子音のតはA子音だね。
そこに、母音記号の「アー」がつくと、【ター】という音になるよ。
・ទា【ティーア】アヒル
逆にこっちはទがО子音なので、母音自体が「イーア」という音になり、単語自体は【ティーア】という音になる。
多分ここまでは多分クメール文字の表を見ればすぐわかると思うんだ。
ケース2:二重子音(二つとも種類が同じ)+母音
子音と子音が合わさった単語を二重子音と呼ぶんだ。
二重子音の場合は、ふたつめの子音が変形してひとつめの子音の下につく。
これを足文字と言うよ。
・ផ្កា【プカー】花
A子音のផにもう一つのA子音であるកが足文字に。
それプラス母音の「アー」がついたので、これは【プカー】という音になる。
・ឃ្លាន【クリアン】空腹
これは母音の前の子音が二つともО子音なので、母音は【イーア】という音になる。
それにនがついて、【クリアン】という発音になるんだ。
パターン3:二重子音(種類が別)+母音
ここからややこしくなるよ。
今まではどっちの子音もAかОで統一されていたから、母音の音もスムーズに決まったんだ。
でも、これはどうかな?
・ម្ហូប 料理
មはО子音、だけどហはA子音だ。
これだと、どっちの音で母音の音を決めればいいかわかんないね。
二つの子音の種類が違う場合、まずは足文字を見るんだ。
この場合、足文字になっているのはហだね。
さらに、ហはA子音だ。
だから、母音は「オー」の音になる。
よって、ម្ហូបの正解の音は【ムホープ】だよ!
これで終わりだといいんだけど、もっとややこしいことがあるんだ…。
パターン4:二重子音(種類が別で、母音の音を決定できない足文字の場合)
・ខ្លា トラ
これなんて読むかわかるかな?

えーと、លはО子音だから「クリーア」だ!
発想は正しいんだ。でも、この場合はそれだとダメなんだよ。
なぜかというと、例外的に、子音の中には母音の音を決定できない音があるんだ。

ど、どういうこと!?
うんうん、ここが一番難しいところだよ。
言い換えてみると、特定の子音が母音の直前にきた場合、その子音では母音の音がどっちなのか決めることができないんだ。
具体的には、ល,ង,យ,ន,ម,ញ,រ,វの八つの子音だよ。

例外と言うわりに多いんだけど…。
そうなんだ。だから、けっこう頻繁に見るし避けることができないんだ。

そんなぁ
大丈夫、方法は簡単だよ!
それは、その母音の音を決定できない子音の一つ前の子音から決めればいいんだ!
最初のお題に戻ると、ខ្លាのひとつ前の文字はA子音のខが使われている。
すると答えは…

【クラー】だ!

正解だよ!
パターン5:二重子音(種類が別で、二重子音の両方とも母音の音を決定できない場合)
・ប៉ុន្មាន いくつ
これが最後だ。
アイキャッチ画像にもある文字だけど、これはなんて発音すればいいかな?

足文字のひとつ前の文字を見ればいいんでしょ。
でも、その文字もនだから母音の音を決められないんだけど…。
いいところに気づいたね!
そうなんだよ。でも、これはさっきやったことを応用すればいい。
足文字の直前の文字も母音の音を決められない場合、さらにそのひとつ前の文字を見ればいいんだ。

これでわかったかな?

足文字のさらにそのひとつ前の文字を見ると、ប៉だから…
【ポンマーン】だ!

正解だよ!
まとめ
・まずは、足文字がA子音かО子音か確認する。
・足文字が母音の音を決定できないものの場合、その直前の文字を見る。
・さらに、その文字も母音の音を決定できないものの場合、さらにその前の文字を見る。
これで、クメール文字を完璧に読むことができるよ!