
カンボジアでは水上生活をしている人たちがいるって聞いたことがあるくま。でもなんで水上生活をすることになったんだろう?

そこでこの記事では、カンボジア・コンポンチュナン州における水上生活を参考に、なぜ彼らはそこに暮らすことになったのか、どんな生活をしているか考えていくよ。
カンボジア・コンポンチュナン州の概要
プノンペンより北部に位置する小さな河港街。見所は少ないが、カンボジアで最も陶器作りが盛んな地域で、のんびりとした農村部の人々の生活に触れるにはとても良い。
州西部は山岳地域となり、カンボジア最高峰の山アオラルがあるため、今後の開発が期待される。
街はトンレサップ湖から流れるトンレサップ川に面し、漁業も盛んであり、多くの水上生活家屋もある。―クロマーマガジンより引用
コンポンチュナン州はそこまで観光地化がされているわけではないから、検索してもあまり情報が少ないけれど、「コンポンチュナン焼」と呼ばれる陶器づくりが盛んにおこなわれている地域で、一部コンポンチュナン焼きづくり体験ツアーもあるんだ。
だけど今回紹介する地域はそこよりもさらに奥に行った場所になるよ。
コンポンチュナン州の水上に生きる人々

水上生活をしている人々の足はもっぱら船だ。排泄物もゴミも湖に流しているので、湖の水は濁っている
コンポンチュナン州は、東南アジア最大の湖・トンレサップ湖に続いているトンレサップ川の流域にあって、中にはその水上に家を浮かべ生活している人たちがいるんだ。
だけど水上だと移動はしにくいし、排泄物もゴミも直接湖に流しているから衛生環境も良くない。
蚊も水場から沸くし、伝染病も発生しやすい。
さらに、政府から立ち退きを命令される場合も少なくない。(実際、コンポンチュナン州の水上村にいる人々は立ち退き命令を受けている)
それでも彼らが簡単に陸で生活できない理由があるんだ。
保護を受けられない人々
カンボジアはフランスに植民地支配を受けるより昔に、自分たちの領土(現在のホーチミンシティあたり)がベトナムに取られてからずっと強い反ベトナム感情がある。
そのため、カンボジアに住むベトナム系住民は奥へ奥へと追いやられてしまったんだ。
ベトナム系住民の多くはポルポト政権後の混乱の中でカンボジアに移住しており、そもそもパスポート等の公的な書類を持っていないことに加えて、行政的な制約(私的・公的にベトナム人は不遇な扱いを受けている)により、ポルポト政権崩壊後に移住した移民第一世代の多くが帰化を認められず、「不法に滞在する外国人」としてカンボジアに移住している人々も多い。
その結果、移民第二・第三世代である彼らの子どもや孫は、ベトナム国籍もカンボジア国籍も得られず無国籍状態に留め置かれるという空白期間が生じている。
その多くは、ベトナムに繋がるメコン川とトンレサップ湖の川岸や水上にコミュニティを作って生活しており、その数は20万人以上と見積もられている。
荻巣祟世『カンボジアにおけるベトナム系住民の子どもと学校』より引用、カッコ内はブログ筆者が加筆
無国籍状態ではパスポートがもらえず、パスポートがなければ家を借りたり仕事を探すことは非常に困難となる。
そうすると陸では住むのが難しいから、住むのにパスポートがいらず、お金もあまりかからない水上で生活することを余儀なくされているんだ。
コンポンチュナン州・水上村にホームステイ
2020年3月現在、コンポンチュナン州の水上村にホームステイするスタディーツアーの参加者を募集しているよ!
アクティビティ例
・その土地の伝統芸、竹細工や焼き物づくりに触れる
・エンジンが搭載された小舟で大移動
・ホームステイで水上生活を体験
※いずれもその土地で生まれ育ったカンボジア人がガイドしてくれるよ。
興味がある人はぜひぼくのtwitterのdmまで連絡してね。
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