
最近になって、ようやくいろんなジェンダーの人が意見を言えるようになってきたね。

いや、それでも認知されているものとほとんど認知されていないものがあるんだ。カテゴリーとしてくくるのではなく、個人の志向としてとらえればいいと思うよ。それじゃあ、今回はジェンダーについて説明していくよ。
まずは、生物学的性・性的指向・性自認を区別しよう

性の分け方は三パターンあるんだ。どれも大事な概念だよ。
生物学的性:
これはわかりやすいね。生物学的にオスかメスかっていう分け方のことだよ。
ただ、「性」の分け方はこれだけじゃないってことが大事なんだ。
性的指向:
どの性別の人をいわゆる「恋愛対象」にするか(もしくは誰も恋愛対象にしないか)ということだよ。
性自認:
自分の性アイデンティティは何か、言い換えれば自分自身はどんな性なのかってことだね。
たとえば、生物学的には女性だけど、性自認は男性ってこともあるんだ。
もっと言えば、生物学的には女性で、性自認は男性で、性的指向は男性ってこともある。
この場合、はたから見れば異性愛者なわけだけど、当人の心の中ではホモセクシュアルな感覚がある。
LGBTとヘテロセクシュアルついて
ここからいよいよジェンダー・セクシュアリティの説明に入っていくよ。
レズビアン
性自認が女性で性的指向も女性の人々のことだよ。
ゲイ
性自認が男性で性的指向も男性の人々のことだよ。
バイ
性自認と生物学的性別が一致してるけど、性的指向が両性の人々のことだよ。
トランスジェンダー
LGBTの中でこれだけちょっと違うんだ。LGBの三つは性的指向のことを指しているのに対してこれは性自認のことを指していて、生物学的性とは反対の性で社会生活を行いたいと思っている(もしくはすでに行っている人)のことを指すんだよ。
トランスセクシュアル
これもLGBTのTに入っているんだけど、こちらはより強く生物学的性と性自認の間に強い違和感を感じている人々のことを指していて、できれば性転換手術も行いたいと思っているんだ。
トランスベスタイト(クロスドレッサー)
こちらは、異性の恰好をしている人々のことで、特に性の不一致は感じていないんだ。
ヘテロセクシュアル
ヘテロとは「異なる」の意味。性的指向が異性である人々のことだよ。
異性愛は普通のことだからここでは紹介されないと思った?
異性愛が普通っていうのは多分気のせいだよ。
LGBT以外にもいろんなジェンダー・セクシュアリティがあるよ
Aセクシュアル
アセクシュアル(無性愛者)ともいい、性別に関係なく恋愛感情も性的欲求も抱かない人々のことだよ。
ノンセクシュアル
ノンセクシュアルは日本語で非性愛者といい、恋愛感情は抱いても性的欲求は抱かない人々のことだよ。
性的欲求はないけど、恋愛感情は抱く可能性があるんだ。
Xジェンダー
日本独自のカテゴリーで、自分の性は男性でも女性でもなく「中性」もしくは「どこにも属さない」と感じている人々のことだよ。
ポリセクシュアル
複数の人と同時に恋愛関係になる人々のことだよ。もっと言えばポリアモリー(複数愛)がライフスタイルな人々のことなんだ。ポリアモリーには双方の合意が必要で、そうでなくただ浮気をしていたりする人はポリセクシュアルであるとは言えないんだ。
パンセクシュアル
これは、ありとあらゆる性別(男性、女性だけでなくLGBTsも含めたすべての性別)の人が恋愛対象になる人々のことだよ。ポリセクシュアルな人々の半数はこのパンセクシュアルであるとも言われているんだよ。
インターセックス
インターセックスは「生物学的性が中性な人々」のことだよ。
クエスチョニング
クエスチョンの言葉通り、今はまだ「性別が未定」の人々のことだよ。
連帯としての「クィア」
以上のようにLGBT以外にもたくさんのジェンダー・セクシュアリティがある。
それなのに、異性愛だけが正常であるとみなされてきた社会がこれまでずっと続いてきた。
この異性愛者が当たり前のように行っている「正常化運動」に反対する形で生まれたのが「クィア」なんだ。
クィアは英語のqueerのことで意味は「奇妙な」という意味。
元々は異性愛の人々がジェンダーマイノリティを侮蔑するために使っていたんだけど、次第にジェンダーマイノリティの人々がお互いの「連帯」を表すために使うようになったんだ。
ジェンダーは、グラデーションだ。
「ジェンダーはグラデーション」って最近言われるようになった。
男性と女性だけじゃない。
境界は少しずつあいまいになって、やがて溶け合うんだ。